外科
専門研修プログラム
- 武蔵野赤十字病院外科専門研修プログラムについて
- 本プログラムの施設群
- 専攻医の受け入れ数について
- 外科専門研修について 診療実績
- 専攻医の到達目標(習得すべき知識・技能・態度など)
- 各種カンファレンスなどによる知識・技能の習得
- 学問的姿勢について
- 医師に必要なコアコンピテンシー、倫理性、社会性などについて
- 施設群による研修プログラムおよび地域医療についての考え方
- 専門研修の評価について
- 専門研修プログラム管理委員会について
- 専攻医の就業環境について
- 修了判定について
- 外科研修の休止・中断・プログラム移動・プログラム外研修の条件
- 専門研修実績記録システム、マニュアル等について
1. 武蔵野赤十字病院外科専門研修プログラムについて
1) 本プログラムの理念と使命
武蔵野赤十字病院外科専門研修プログラムは、2年間の初期臨床研修で学び、経験し、習得したことを基に、外科領域のさらなる専門的な知識、技能を学び、実践していくなかで、外科専門医を育成するためのプログラムです。
外科専門医とは、医の倫理を十分理解し、外科診療における知識、技能を習得し、プロフェッショナルとしての誇りと態度を身に付け、患者に信頼される標準的な医療を提供することができる医師と考えております。
本プログラムは、3年間の研修を通して外科学および地域社会に貢献できる外科専門医を育成することを使命、目的としております。
2) 本プログラムの目的
本プログラムの目的は、
- ・外科医を志す若手医師がこの研修を受けることで外科専門医としてのスキルを身に着ける。
- ・医師として、社会人として地域社会や医学界との関係性を深め、その問題や課題に取り組む姿勢を身に着ける。
- ・将来の我が国の医療の担い手としての土台を形成し、ひいては国民の健康および福祉に貢献できるようにする。
ことにあります。
3) 本プログラムの特徴
本プログラムは、武蔵野赤十字病院を基幹病院として実施いたします。
武蔵野赤十字病院は高度急性期病院であり、DPC II群病院です。救命救急センターを備え、地域がん診療連携拠点病院にも指定されています。当院の外科系診療科は、消化器一般外科(臓器別診療体制をとっています)、心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺外科と専門領域に分かれており、高度な専門医療を提供しています。本プログラムではさらに救命科も加わり、広く外科領域の専門的診療能力を習得できるように設定されております。さらに、連携施設はその地域や専門領域において非常に重要な役割を担っている医療機関ですので、そういった連携施設で研修することにより、医師としての見識や知識をさらに深めることができます。したがいまして、この研修により、地域医療や専門医療、臨床研究などの貴重な経験をつむことができ、外科専門医になるばかりでなく、将来のキャリアアップにつなげることができると考えております。
また、当院の属する日本赤十字社の重要な事業の一つとしまして、災害救護活動があります。災害救護現場では、専門医療のみならず、総合診療的な判断と対応が必要であり、限られた医療資源の中で、いかに適切な医療を提供するかが非常に重要であり、このような経験は若手医師にとっては貴重であると考えております。当院の外科専門研修プログラムでは、災害医療を専門としている、救命科部長の指導の元に、災害医療についての研修会、講習会、訓練に参加していただきますし、実際に救護班に所属し、救護班の出動要請があれば、救護スタッフとして活動することになります。
4) 到達目標
●全体目標:GIO : General Instructional Objective
本プログラムは、外科専門医にふさわしい外科領域の専門的診療能力を外科系専攻医が習得するためのプログラムです。外科専門医は、標準的かつ包括的な外科医療を提供することによって、国民の健康保持および福祉に貢献することが要求されます。ですから、外科領域診療に関わる最新の知識、技能を習得し、これを実践できる能力を養うことが必要ですが、さらに、外科領域の学問的発展にも貢献することも使命です。
このため、カリキュラムを修得した専攻医は3年次の後半から、サブスペシャルティ領域(消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科)またはそれに準じた外科関連領域(乳腺)の専門研修をおこなうことができ、各領域の専門医取得へと連動することもできます。また、希望者には連携する大学で研究する進路も用意しています。
●行動目標:SBOs:Specific Behavioral Objectives
本プログラム終了後に、以下の6項目を備えた外科専門医となることを到達目標としています。
(1)外科領域のあらゆる分野の知識とスキルを習得する
(2)外科領域の臨床的判断と問題解決を主体的におこなうことができる
(3)診断から手術を含めた治療戦略の策定,術後管理,合併症対策まですべての外科診療に関するマネージメントができる
(4)医の倫理に配慮し,外科診療を行う上での適切な態度と姿勢を身に付けている
(5)外科学の進歩に合わせた生涯学習をおこなうための方略を習得している
(6)外科学の進歩に寄与する研究を実践するための基盤を習得している
2. 本プログラムの施設群
武蔵野赤十字病院と連携施設(5施設)により専門研修施設群を構成しています。本専門研修施設群では15名の専門研修指導医が専攻医を指導いたします。
専門研修基幹施設
名称 | 都道府県 |
|
|
武蔵野赤十字病院 | 東京都 | 1. 2. 3. 5. 6 |
|
3. 専攻医の受け入れ数について
本プログラム施設群の1年間のNCD登録数は1267例(3年間に換算すると3801例)で、専門研修指導医は15名おりますが、本年度の募集専攻医数は1名です。
4. 外科専門研修について
1) 研修期間
研修期間は原則として3年間ですが、研修期間の延長希望があれば、個別に相談させていただききます。
- 3年間の専門研修期間中に連携施設で最低6ヶ月の研修をおこないます。
- 研修の1年目、2年目、3年目に
- 医師に求められる基本的診療能力や態度(コアコンピテンシー)
- 外科専門医に求められる知識および技術
- 研修プログラムの修了判定には規定の経験症例数が必要です((専攻医研修マニュアル-経験目標2-を参照して下さい)。
- 初期臨床研修期間中に外科専門研修基幹施設ないし連携施設で経験した症例(NCDに登録されていることが必要です)は、研修プログラム統括責任者が承認した症例に限り、手術症例数に加算することができます(外科専門研修プログラム整備基準2.3.3を参照して下さい)。
- 研修プログラムの規定経験症例数を経験した専攻医は、希望に応じてサブスペシャリティ領域の専門医研修を受けることもできます。
2) 年次ごとの専門研修計画
●専攻医の研修は毎年の達成目標と達成度を評価しながら進められます。以下に年次ごとの研修内容および習得目標の目安を示します。なお、習得すべき専門知識や技能は専攻医研修マニュアルを参照してください。
専門研修1年目の目標
- 臓器別のチームによる診療体制をとっている武蔵野赤十字病院の外科において、指導医と共に日常診療をおこない、基本的診療能力および外科の基本的知識と技能を習得する。
- 武蔵野赤十字病院ではER体制をとっており、このERメンバーの一員として救急対応(当院は救急車搬入台数が年間約8000件です)することで、外傷や急性腹症を含むさまざまな外科系救急疾患に対する初期対応を経験し、臨床的判断と問題解決能力を養う。
- 定期的に開催されるカンファレンスや症例検討会、抄読会、院内主催のセミナーへの参加、e-learning または書籍や論文の通読、日本外科学会が用意しているビデオライブラリーなどを通して専門知識や技能を習得する。
専門研修2年目の目標
- 基本的診療能力の向上に加えて、外科の基本的知識および技能を実際の診断や治療へ応用する力量を養う。
- 連携施設で一般外科および地域医療の研修をおこない、地域の特性にあった医療を経験する。 小規模病院では専門診療科医師が常駐しているとは限らないため、基幹病院では経験することができない症例を経験する。
- 小児専門病院での研修において、短期間に数多くの小児外科の修練をおこない、知識および技能を習得する。
- 学会や研究会に参加することで、最新の専門的知識や技能を習得する。
- 2年目が終了する頃には、外科専門医取得のための症例数を確保する。
専門研修3年目の目標
- 武蔵野赤十字病院でのコメディカルを含めたチーム医療においてリーダーシップを発揮して、責任を持って診療にあたる。また、後進の指導にも積極的に参画する。
- 外科の実践的知識や技能を習得し、様々な外科疾患に対応する力量を養う。
- 救急ER体制下でチームリーダーとして初期臨床研修医の教育および指導をおこない、自らの外科医としての力量をさらに向上させる。
- プログラムを習得したと認められる専攻医は、希望するサブスペシャリティ領域の専門医取得にむけて、積極的に研修をおこなう。
以下に武蔵野赤十字病院の外科専門研修プログラムの1例を示します。
●武蔵野赤十字病院外科専門研修プログラムでの3年間の施設群ローテート研修における研修内容と予想される経験症例数を下記に示します。なお、武蔵野赤十字病院外科専門研修プログラムの研修期間は3年間としていますが、習得が不十分と判定された場合は、習得できるまで期間を延長することになります(未修了)。先にも述べましたが、プログラムを習得したと判定された専攻医は、希望するサブスペシャリティ領域の専門医取得に向けた研修にすすみます。大学院進学希望者は東京医科歯科大学大学院への進学も可能です。
専門研修1年目
- 武蔵野赤十字病院で外科(一般消化器)、 心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺外科、救命科 のいずれかに所属し研修します。経験症例数は200例以上(術者50例以上)です。
専門研修2年目
- 6ヶ月間は、武蔵野赤十字病院で外科(一般消化器)、心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺外科、救命科のいずれかに所属し研修します。
- 6ヶ月間は、先に挙げた5つの連携施設のうちのいずれかに所属し研修します。小児外科または一般消化器で経験症例は350例以上/2年 (術者120例以上/2年)
専門研修3年目
- 原則として武蔵野赤十字病院で研修します。症例数が不足している場合は、必要な領域(科)で研修します。プログラムを習得したと判定された場合、武蔵野赤十字病院でサブスペシャリティ領域(消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科)または外科関連領域(乳腺など)の研修を開始します。
3)研修の週間計画および年間計画
- 基幹施設(武蔵野赤十字病院)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | ||
8:00-8:30 | 抄読会 | |||||
8:15-8:30 | 朝ミーティング | |||||
8:30-10:00 | 病棟業務 | |||||
10:00-12:00 | 放射線・内視鏡検査 | |||||
13:00-16:00 | 放射線・内視鏡検査 | |||||
9:00- | 手術 | |||||
15:00-16:00 | 総回診 | |||||
16:30- | 放射線診断病理合同カンファレンス | |||||
16:00- | 内科外科合同カンファレンス | |||||
18:30- | 放射線治療合同カンファレンス | |||||
17:30-18:30 | 医局全体ミーティング |
- 連携施設(東京都立小児総合医療センター例)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | ||
8:00-8:45 | 朝カンファレンス 抄読会、勉強会 | |||||
8:40-9:00 | 集中治療カンファレンス | |||||
8:45-12:00 | 病棟業務 | |||||
10:00-12:00 | 放射線検査 | |||||
9:00- | 手術 | |||||
17:30-16:30 | 総回診 | |||||
17:30- | 放射線診断合同カンファレンス |
- 研修プログラムに関連した全体行事の年間スケジュール(案)
月 | 全体行事予定 |
---|---|
4 | ●外科専門研修開始。専攻医および指導医に提出用資料の配布(武蔵野赤十字病院ホームページ)●日本外科学会参加(発表) |
5 | ●研修修了者:専門医認定審査申請・提出 |
8 | ●研修修了者:専門医認定審査(筆記試験) |
11 | ●臨床外科学会参加(発表) |
2 | ●専攻医:研修目標達成度評価報告用紙と経験症例数報告用紙の作成(年次報告)(書類は翌月に提出)●専攻医:研修プログラム評価報告用紙の作成(書類は翌月に提出)●指導医・指導責任者:指導実績報告用紙の作成(書類は翌月に提出) |
3 | ●その年度の研修終了●専攻医: その年度の研修目標達成度評価報告用紙と経験症例数報告用紙を提出●指導医・指導責任者:前年度の指導実績報告用紙の提出●研修プログラム管理委員会開催 |
5. 専攻医の到達目標(習得すべき知識・技能・態度など)
専攻医研修マニュアルの到達目標1(専門知識)、到達目標2(専門技能)、到達目標3(学問的姿勢)、到達目標4(倫理性、社会性など)を参照して下さい。
6. 各種カンファレンスなどによる知識・技能の習得
(専攻医研修マニュアル-到達目標3-を参照して下さい)
- 基幹施設およびそれぞれの連携施設において、医師および看護スタッフによる治療および管理方針の症例検討会をおこないます。専攻医は積極的に意見を述べ、また、同僚の意見をよく聴くことで具体的な治療と管理の論理を学びます。
- 放射線診断・病理合同カンファレンス:手術症例を中心に放射線診断部とともに術前画像診断を検討し、切除検体の病理診断と対比します。
- Cancer Board:悪性疾患のなかでも複数の臓器にひろがる進行・再発例、重症の内科的合併疾患を有する症例、標準治療が確立されていない非常にまれな症例などの治療方針に関して、内科などの関連した診療科、病理診断科、放射線科、緩和ケアチーム、看護スタッフなどによる合同カンファレンスをおこないます。
- 基幹施設と連携施設による症例検討会:各施設の専攻医や若手専門医による研修発表会を定期的に院内の施設を用いておこないます。発表内容、スライドなどの資料、発表態度などについて指導医や同僚、後輩をまじえて討論いたします。
- 各施設において、抄読会や勉強会をおこないます。専攻医は最新のガイドラインを参照したり、インターネットで最新の情報を検索することができます。
- 大動物を用いた手術手技の実地トレーニングを受けることもでき、教育DVDなどからも手術手技を学ぶこともできます。
- 日本外科学会の学術集会(特に教育プログラム)に参加したり、e-learningによる研修、その他の研修セミナーや各病院内でおこなわれる講習会などにより医療倫理、医療安全、院内感染対策、標準的医療および今後期待される先進的な医療などについて学ぶことができます。
7. 学問的姿勢について
本プログラムにおいて、専攻医は医学・医療の進歩に遅れることなく、常に研鑽、自己学習することが求められます。
日々の日常診療から浮かび上がってくるクリニカルクエスチョンは、周囲のスタッフからの指導および自己学習によって解決していくわけですが、現在の医学あるいはエビデンスでは解決しない問題も存在します。
このような問題の解決のために臨床研究に参加したり、あるいは臨床研究を企画、実行するする姿勢を身につけていきます。そのうえで、学会に積極的に参加し、基礎的あるいは臨床的研究成果を発表し、その成果は最終的には論文として公表することになります。
論文化することは、得られた結果に対する批評を受けることでもあり、さまざまな見方、意見に耳を傾け、普遍的な結論にいたることになります。
この目的のために、研修期間中に以下の要件を満たす必要があります(専攻医研修マニュアル-到達目標3-を参照して下さい)。
- 日本外科学会定期学術集会に 1回以上参加する。
- 指定の学術集会や学術出版物に、筆頭者として症例報告や臨床研究の結果を発表する。
8. 医師に必要なコアコンピテンシー、倫理性、社会性などについて
(専攻医研修マニュアル-到達目標3-を参照して下さい)
医師として求められるコアコンピテンシーには態度、倫理性、社会性などが含まれています。その内容を以下に具体的に示します。
- 医師としての責務を自立的に果たし、信頼されること(プロフェッショナリズム):医療の専門家である医師と患者を含めた社会との契約を十分に理解し、患者および家族から信頼される知識、技能、態度を身につけます。
- 患者中心の医療を実践し、医の倫理や医療安全に配慮すること:患者の社会的、遺伝学的背景をふまえたうえで、患者ごとに的確な医療を目指します。また、医療安全の重要性を理解し、事故防止および事故後の対応をマニュアルに沿って実践します。
- 臨床の現場から学ぶ態度を習得すること:実際の臨床の現場から学び続けることの重要性を認識し、その方法を身につけます。
- チーム医療の一員として行動すること:すべてのメディカルスタッフを含むチーム医療の必要性を十分理解し、チームの一員として他のスタッフと協調して診療するとともに、医師として、チームのリーダーの役割を担います。また、的確なコンサルテーションを実践します。
- 後輩医師の教育および指導をおこなうこと:自らの診療技術、診療態度が後輩医師の模範となるようにします。さらに、形成的指導が実践できるように初期研修医や後輩専攻医および指導医とともに担当患者の診療にあたり、後輩医師の教育および指導を担います。
- 保険医療や主な医療法規を理解し、遵守すること:わが国の健康保険制度を理解し、保険医療をメディカルスタッフと協調して実践します。また、医療法規(医師法、医療法、健康保険法、国民健康保険法、老人保険法)を理解し、遵守しつつ医療を実践します。そのなかで、診断書、証明書も記載します。
9. 施設群による研修プログラムおよび地域医療についての考え方
1. 施設群による研修
本プログラムは、武蔵野赤十字病院を基幹施設とし、他の医療機関を連携施設として構成される施設群で運営されます。
武蔵野赤十字病院だけの研修では経験できる症例にかたよりができてしまう可能性があります。
例えば、日常の外科診療におけるcommon diseaseや小児症例などです。
専攻医が施設群に属する、さまざまな医療機関で研修することにより、武蔵野赤十字病院では不十分になりがちなこのような症例も十分に経験することができ、かたよりのない、充実した有効な研修をおこなうことができると考えております。
したがいまして、本プログラムでは、指導内容や経験症例数およびその内容に不公平が生じないように十分配慮していきます。
施設群内の研修施設の選定、期間、時期などにつきましては、専攻医数や個々の専攻医の希望や研修の進捗状況、施設群内の各施設の状況、さらには地域の医療体制などを十分勘案したうえで、本プログラム管理委員会が決定します。
2. 地域医療の経験(専攻医研修マニュアル-経験目標 3-を参照して下さい)
本プログラムの連携施設には、地域医療の拠点となっている施設(地域の中核病院や地域の中小病院)が含まれています。
これらの連携施設での研修においては、多くのさまざまな症例を経験することができ、このことは専攻医が将来、外科専門医として外科診療をおこなっていくうえで、必ずや糧となるものです。
また、現在は地域完結型の医療が求められており、地域医療における病診連携、病病連携、地域包括ケア、在宅医療などは知っておくべきものであります。
本プログラムでは以下のような地域医療について研修し、実践することができます。
- 地域の医療資源や救急体制について把握し、地域の特性に応じた病診連携、病病連携について理解し、実践する。
- 終末期およびそれに準じたがん患者の緩和ケアなどにおいて、在宅診療、緩和ケア専門施設などを活用した医療を立案、実践します。
10. 専門研修の評価について
(専攻医研修マニュアル-VI-を参照して下さい)
専攻医と指導医の相互評価は施設群における研修とともに、外科専門研修プログラムの根幹をなすものです。本プログラムでは、1年目、2年目、3年目のそれぞれにコアコンピテンシーと外科専門医に求められる知識および技能の習得目標を設定し、年度末に達成度を評価します。
これにより、基礎から応用へ、さらに最終的には外科専門医として独立して外科診療が実践でき、地域医療および外科学の発展に寄与できうる実力を備えることができるように配慮しております。
11. 専門研修プログラム管理委員会について
基幹施設である武蔵野赤十字病院には外科専門研修プログラム管理委員会および外科専門研修プログラム統括責任者を設置します。
施設群に属する連携施設には、外科専門研修プログラム連携施設担当者と外科専門研修プログラム委員会組織が設置されます。
プログラム管理委員会は統括責任者を委員長とし、武蔵野赤十字病院の外科、心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺外科、救命科の指導医(各科部長)、連携施設のプログラム担当者(指導医)などで構成されます。
外科専門研修プログラムの問題点の改善のための会議には、外科専門医取得直後の若手医師代表が参加します。
外科専門研修プログラムの管理委員会は専攻医およびプログラム全般を管理し、プログラムの継続的改良をおこなっていきます。
12. 専攻医の就業環境について
- 本プログラム基幹施設および連携施設の研修責任者(担当者)は、専攻医の労働環境改善に努めます。
- 本プログラム統括責任者および専門研修指導医は、専攻医のメンタルヘルスに十分配慮します。
- 専攻医の勤務時間、休日、当直、給与などは労働基準法に則り、基幹施設および連携施設の就業規定に従って決定します。
13. 修了判定について
3年間の研修期間における年次毎の評価表および実地経験目録にもとづいて、専門医認定申請年(3 年目あるいはそれ以後)の 3月末に本プログラム統括責任者または連携施設担当者が研修プログラム管理委員会において以下の点に関して評価、判定をおこないます。
- 知識、技能、態度が外科専門医としてふさわしいものであるかどうか
- 経験症例数が、専門医機構の外科領域研修委員会の基準を満たしているかどうか
上記が満たされていると評価、判定されますと、研修プログラム統括責任者が修了を認定することになります。
14. 外科研修の休止・中断・プログラム移動・プログラム外研修の条件
専攻医研修マニュアルVIIIを参照して下さい。
15. 専門研修実績記録システム、マニュアル等について
- 研修実績および評価の記録
日本外科学会のホームページにあります書式(専攻医研修マニュアル、研修目標達成度評価報告用紙、専攻医研修実績記録、専攻医指導評価記録)を用いて、専攻医は研修実績(NCD登録)を記載し、指導医による形成的評価、フィードバックを受けます。総括的評価は外科専門研修プログラム整備基準に沿って、少なくとも年1回おこないます。
武蔵野赤十字病院にて、専攻医の研修履歴(研修施設、研修期間、担当専門研修指導医)、研修実績、研修評価を保管します。
さらに、専攻医による専門研修施設およびプログラムに対する評価も保管します。 - プログラム運用マニュアル
本プログラムは、以下の専攻医研修マニュアルと指導医マニュアルを用いておこないます。- 本プログラムは、以下の専攻医研修マニュアルと指導医マニュアルを用いておこないます。
- 指導医マニュアル:別紙「指導医マニュアル」参照して下さい。
- 専攻医研修実績記録フォーマット:「専攻医研修実績記録」に研修実績を記録し、手術症例はNCDに登録します。
- 指導医による指導とフィードバックの記録:「専攻医研修実績記録」に指導医による形成的評価を記録します。